鉄筋継手は、鉄筋コンクリート構造物の耐久性に大きく関わるものです。
私達は鉄筋継手の品質について試験を行っています。
【鉄筋コンクリート用棒鋼の引張・伸び試験】(JIS Z 2241及びJIS Z 3120)
鉄筋の両端を引張り、塑性変形域または破断するまで応力を加え、供試体の機械的性質を確認する試験です。鉄筋継手の場合は、破断位置の確認も行います。
なお、機械的性質は、鉄筋の種類ごとに降伏点、引張強さ、伸び及び曲げ性についてJIS Z 3112で規定されています。
【鉄筋コンクリート用棒鋼の曲げ試験】(JIS Z 2248、JIS Z 3120及びJIS Z 3881)
JIS Z 2248では、素材試験として曲げ角度180°(SD490の 場合は90度)で 湾曲部 外側の裂けきず及びその他の欠陥の有無を肉眼で観察します。
JIS Z 3120では、圧接のふくらみの一部をカット(一面)し、「曲げ角度45° まで圧接面で折損しない」かどうかを確認します。
JIS Z 3881では、圧接のふくらみの全周をカット(鉄筋径の1.1倍 の直径に加工)し、「曲げ角度90° まで圧接面で折損しない」かどうかを確認します。
【超音波探傷検査・超音波測定検査】
超音波により鉄筋継手部の内部欠陥を探傷したり、
機械式継手の場合には鉄筋の挿入長さを測定します。
・ガス圧接継手(JIS Z 3062)
・溶接継手(JIS Z 3063)
・機械式継手(JIS Z 3064)
【外観検査】
鉄筋継手部を目視検査および専用ゲージを使用して外観検査項目の良否を判定します。
【熱間押抜ガス圧接法の外観試験】(JIS Z 3881)
ガス圧接完了後の赤熱状態のときに鉄筋径の1.2倍のせん断刃を駆動させて
ふくらみ部分を押し抜く圧接工法で、外観検査は目視及び測定によって行います。
【かぶり厚さ・配筋調査】(電磁誘導法・電磁波レーダー法)
探査機で比較的浅い部分のコンクリート内部の鉄筋位置や本数、配筋間隔等を調べます。
対象物内の磁性体の有無、コンクリートの含水率等にも注意が必要となります。
また、JASS5 T-608:電磁誘導法によるコンクリート中の鉄筋位置の測定も行うことが出来ます